読書日記

日々読んでいくことで、読んだ本がいつのまにか増えているのは気持ちいいものですw


森博嗣の「ナ・バ・テア」という本です。英題が「None But Air」なので、それを音訳したのが「ナ・バ・テア」ですね。


これは、「スカイ・クロラ」という物語の続編(?)で、飛行機(戦闘機)乗りの話です。
森博嗣本人が、「この作品が最も自分の本質に近い」とおっしゃってるように、とても森博嗣らしい小説となっています。
森博嗣ミステリィ作家としてデビューしましたが、別にミステリィにこだわっているわけではない人です。それなのに、すべての作品の端々にミステリィ的な色が出てきてしまうのは、逆に彼がミステリィ作家であることを強く示しているような気もします。


このシリーズを読んでいると、飛行機を操縦してみたいなぁって思いますね。ロアルド・ダールや、「星の王子さま」で有名なサン・テグジュペリも、飛行機乗りだった作家の人たちですが、彼らは、何か共通したものがあったようです。その考え方というか、なんというか…。
空を飛んだことのある人にしかわからない世界、っていうのは確かにあるでしょうね。


余談ですが、このブックデザイン、実はかなり凄いものなんですよ。実は、ブックカバーが透明で、タイトルが書いてあるところだけ白くなっていて、そこに文字が書いてあるんです。
じゃあ、カバーを外したらどうなってるのか、というと、空が描いてあるだけ。あの空は、カバーに描いてあるんではなくて、本自体に書いてあるんです。凄いデザインですよね?これ、前作の「スカイ・クロラ」のときは青空でした。実は「ナ・バ・テア」の次の作品「ダウン・ツ・ヘヴン」もすでに刊行されているんですが、これは夜の暗い空でした。
やっぱりこの手の素晴らしい本に出会うと、「本はコンテンツに価値があるんだから、電子テキスト化して販売しても構わない」っていう意見に反対したくもなりますねw